睡眠導入として波の音を聞いてたら,地元で海辺の旅館に両親と祖母とで泊まったことを思い出した.それと同時に亡くなった祖父のことを考えた.
その数年前から祖父は認知症を発症していて一緒に旅行に行くことはできなかった.入院先に訪れるたび段々家族のことを忘れていくのが目に見えてとても辛かったが,最期まで祖母のことは覚えていた.
祖父は手先が器用でいつも広告紙でゴミ箱など日用品を作っていた.今も一人暮らししている私の手元にある.小さい頃から作っている姿をみて作り方を教わりたかったが,結局言い出せずわからずじまいとなってしまった.
そういえば料理も上手だった.味付けは一風変わっていてすぐに祖父が作ったものだとわかった.その味付けももう思い出せずわからない.
怒られたこともなくいつも私のために尽くしてくれた.一緒に釣りにも行きたかった.
私は祖父になにかしてやれたのだろうか,後悔が残る.
結局寝られなかった.